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「路地裏の生活」
 

 

中国の路地は、町角から次々に人が溢れてくる感じが心地良い。

人口密度が高い上、住宅事情が悪いので、自然と人々は路上で繰り出すことになる。 

 

広州の旧市街は一般に住宅が密集していて公園など皆無に等しいが、大通りから一歩路地へ入ると車両は入ってこないので路地が子供の遊び場になっている。
 

一人っ子政策とはいえ、路地裏で見かける子供の数はとても多い。高度成長前の日本の下町もこんな感じだったのだろうかと思う。フラフープを廻す少女。手製の卓球台で遊ぶ小学生。何だかとても懐かしい。地方から稼ぎに来た猿回しもいる。

 

中高年は主にマージャンに熱中する。男女を問わず、ほとんどの中国人はマージャンが打てる。

健康的な娯楽、社交の道具として生活に密着していて、マージャンの位置付けが日本とは違う。

 

それに対して将棋を打ってるのは、なぜかほとんど男性。中央に川が流れている中国将棋の盤を地面に置き、見物人に囲まれながら、「王手!」と叫んでいる。
 

ある日、大通り「長寿東路」の喧騒から離れて、細い路地を奥へ奥へと進んでいくと、自由市場が延々と続く活気のある細い路地へ出た。

 

地面に広げた野菜や果物を、品物を天秤ばかりに乗せては「高い!」「まけて!」と、大声で丁丁発止のやり取りをしている。

 

右折左折した末に方向感覚を失いながら、地図にも載ってない活気のある路地を発見した時は、路地歩きの幸福を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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