始めてお寺に行った時の話。

 

音が空気が光が色が、僕の五感と呼応し、居心地のよさに足が止まったのでした。

そんな僕に、ラマの手招きをしました。

「あんた中国人じゃないなら、お茶を飲んでいかんかね」。赤い服を着た老僧が、僕の手をとって僧坊の一室に案内してくれました。チベットの寺院には、小さな僧坊がいくつもあります。

 

大僧堂では、数百のランプの灯りの中で、仏像が遠くを見つめています。お参りするチベット人は、その仏像の前に来ると、額を合わせるように拝礼し、灯明の油としてバターを捧げていきます。

 

やがて、数百人ものラマ層が唱える声明が響いてきました。壁には原色の色鮮やかな合体神像やヤマーンタカ像が、おどろおどろしく下を見おろしています。

 

薄暗い空間、灯明の光に映し出される仏、お腹に響く僧たちのコーラス、濃厚なバターの薫り。

チベット独特の心地よい空間でした。

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